2026年2月18日、日銀は時系列統計データ検索サイトにおけるAPI(金融・経済に関する時系列統計データを機械判読可能な形式、JSON/CSVで取得するためのツール)の提供を開始した。
日本銀行|時系列統計データ検索サイトにおけるAPI機能の提供開始
本記事では、公式マニュアルに基づき、このAPIの仕様、リクエスト方法、および利用上の注意点を簡単に解説する。(あくまで概観なので詳細な仕様はPDFを見てください。)
1. APIの概要
このAPI機能を使用すると、日本銀行が検索サイトで提供している全データを、機械判読可能なJSON形式またはCSV形式で取得可能です。
- 利用資格: どなたでも利用可能
- 通信圧縮:
Accept-Encoding: gzipヘッダーに対応しており、通信データ量を削減できます - データ更新: 原則として営業日の8時50分頃に更新
2. APIの種類
目的に応じて以下の3種類のAPIが用意されています。
| APIの種類 | 特徴 | 用途 |
| コードAPI | 系列コードを指定してデータを取得 | 特定のデータ(例: ドル円相場、特定の物価指数)をピンポイントで取得したい場合 |
| 階層API | 階層情報を指定してデータを取得 | 統計の分類ツリー(階層)に基づいて、特定のカテゴリごとのデータをまとめて取得したい場合 |
| メタデータAPI | データの属性情報(メタ情報)を取得 | どのようなデータが存在するか、系列コードや名称を調べたい場合 |
3. リクエストURLの構造
各APIのエンドポイントは以下の通りです。パラメータより前の部分は固定で、大文字小文字を区別します。
- コードAPI
- 階層API
- メタデータAPI
4. パラメータの指定方法
リクエストURLの末尾に ?パラメータ名=値&パラメータ名=値... の形式で検索条件を指定します。
共通および主要パラメータ一覧
| パラメータ名 | 必須/任意 | 設定値の例・説明 |
| FORMAT | 任意 | json または csv (省略時はJSON) |
| LANG | 任意 | jp(日本語) または en(英語) (省略時は日本語) |
| DB | 必須 | 統計データのDBコード(後述) |
| STARTDATE | 任意 | 開始時期(例: 202401)※月次・週次・日次はYYYYMM形式 |
| ENDDATE | 任意 | 終了時期(例: 202504) |
| CODE | 必須 (コードAPI) | 系列コード(カンマ区切りで複数指定可) |
| LAYER | 必須 (階層API) | 階層情報(カンマ区切り、ワイルドカード * 使用可) |
| FREQUENCY | 必須 (階層API) | 期種(M:月次, Q:四半期, CY:暦年, FY:年度など) |
| STARTPOSITION | 任意 | 検索開始位置(大量データ取得時のページネーション用) |
主なDBコードの例
CO: 短観PR01: 企業物価指数BP01: 国際収支統計FM08: 外国為替市況MD01: マネタリーベース
5. データ取得の制限とページネーション
大量のデータを取得する際には、以下の制限値(リミット)に注意が必要です。
- 検索ヒット数の上限: 1,250系列(これを超えるとエラーになります)
- 1回のリクエストでの取得上限:
- 系列数: 250件
- データ数: 60,000件(系列数 × 期数)
制限を超えた場合の対処法(ページネーション)
1回のリクエストで取得しきれなかった場合、レスポンス内の NEXTPOSITION(次回検索開始位置)フィールドに数値が出力されます 。 次回のリクエスト時に、この数値を STARTPOSITION パラメータに指定することで、続きのデータを取得できます。
6. リクエストの具体例
ケース1:短観(CO)の特定データをJSONで取得
- API: コードAPI
- 条件: 日本語、JSON形式、2024年1Q~2025年4Q
https://www.stat-search.boj.or.jp/api/v1/getDataCode?format=json&lang=jp&db=CO&startDate=202401&endDate=202504&code=TK99F1000601GCQ01000,TK99F2000601GCQ01000
ケース2:国際収支統計(BP01)の月次データをCSVで取得
- API: 階層API
- 条件: CSV形式、月次データ(M)、2025年4月~9月、階層1~3がすべて「1」のデータ
https://www.stat-search.boj.or.jp/api/v1/getDataLayer?format=csv&db=BP01&frequency=M&startDate=202504&endDate=202509&layer=1,1,1
↓ Microsoft Excel で開いた様子

7. レスポンスデータについて
JSON形式の構造例
成功時(Status 200)は以下のような構造で返却されます。
JSON
{
"STATUS": 200,
"MESSAGEID": "M1810001",
"MESSAGE": "正常に終了しました。",
"PARAMETER": { ... },
"NEXTPOSITION": null, // 続きがある場合はここに数値が入る
"RESULTSET": {
"SERIES CODE": "...",
"NAME_OF_TIME_SERIES_J": "系列名称",
"VALUES": {
"SURVEY_DATES": [202401, 202402, ...],
"VALUES": [11, 13, ...]
}
}
}
エラー時の挙動
パラメータ設定ミス(Status 400)やサーバーエラー(Status 500/503)が発生した場合、指定したファイル形式に関わらずJSON形式でエラーメッセージが返されます。
8. 利用上の注意点
APIを利用するにあたり、技術的な制約だけでなく、以下の規約を遵守する必要があります。これらは予告なく変更される可能性があります。
禁止事項と利用停止措置
以下の行為は禁止されており、該当する行為を行った、またはその恐れがあると判断された場合、利用停止措置が取られることがあります。
- 高頻度アクセスの禁止: 短時間における連続したアクセスは禁止されています 。
- 運用妨害の禁止: その他、本機能の運用に支障を与える行為を行ってはなりません 。
- アクセス制限: システムの負荷状況等に応じて、アクセス制限がかけられる場合があります 。
サービス公開時の義務(連絡・クレジット表示)
本APIを使用したサービスを外部に公開する場合、以下の対応が必須となります。
- 日本銀行への連絡 サービス公開時は、以下の宛先へ報告する必要があります 。
- メールアドレス: post.rsd17@boj.or.jp
- 件名: 【検索サイト APIを利用したサービス公開】
- クレジットの明示 サービス利用者が参照できる場所に、以下の文言を明示する必要があります 。「このサービスは、日本銀行時系列統計データ検索サイトの API 機能を使用しています。サービスの内容は日本銀行によって保証されたものではありません。」
免責事項と仕様変更
サービス開発・運用においては、以下のリスクを考慮してください。
- 予告なき変更・停止: 機能の停止、性能低下、または仕様の変更は、利用者への事前通知なく行われる場合があります 。
- 免責: 日本銀行は、APIの停止や性能低下によって生じた損害、および利用者が公開したサービスに関して生じた損害等について、一切の責任を負いません 。
出典: 日本銀行「時系列統計データ検索サイト API機能利用マニュアル 、API機能利用時の留意点について」
