ドル円、160円台に到達 2024年7月以来の円安水準【2026年3月28日】

2026年3月28日(土)1時51分速報。

3月28日のニューヨーク外国為替市場で、ドル・円が心理的節目の160円を突破し、一時160.30円まで上昇した。2024年7月以来の円安・ドル高水準となる。

チャートを振り返れば、流れは読み取りやすい。昨年10月から5日移動平均線(青)が20日線(赤)を上回る形で推移し、ドル円は150円台前半から着実に水準を切り上げてきた。2月に一時、日米合同によるレートチェックにより159円付近から153円台まで押し込まれる場面もあったが、120日移動平均線の上で踏みとどまった。その後は三本の移動平均線が揃って上向きに転じ、3月に入ってからは159円台での攻防が続いていた。160円の壁をついに越えたのが、今日の深夜だった。

直接のきっかけはイラン情勢だ。米国とイランの核協議が難航するとの観測からドルへの逃避需要が強まり、週末前のポジション調整も重なった。

トランプ大統領はイランのエネルギー施設への攻撃期限を日本時間4月7日午前9時まで延期すると発表している。タイムリミットが動き続ける以上、市場はドルを持ち続ける理由を持ちやすい。

介入については、現実的に難しい面がある。「160円が防衛ライン」という見方は市場に定着しているが、ドルが対ユーロや対人民元でも買われている局面では、日本の単独介入は効きが薄い。2024年は4〜5月に9.7兆円、7〜9月に5.5兆円を投じた。それでも円安の流れは変わらなかった。

次に意識されるのは2024年7月の高値、161.95円だ。ただしその手前では介入警戒から上値が重くなりやすく、スルスルと上がるとも考えにくい。160〜162円での膠着が当面の基本シナリオになる。

それより気になるのは原油との組み合わせだ。円安と原油高が同時に進めば、輸入コストは二方向から膨らむ。家計への圧力が可視化されるほど、政府が静観し続けるのは難しくなる。介入の本当のトリガーは、為替水準より物価の体感温度かもしれない。


※本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。金融商品への投資は元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任において行ってください。

カテゴリ: 経済・金融・投資
この記事を書いた人
Seita Namba
イグナイトbiz 編集長