3月23日の東京株式市場は、三連休明けから売りが噴き出した。
日経平均は前営業日比1,857円04銭(3.48%)安の51,515円49銭で取引を終え、1月8日以来、約2カ月半ぶりの安値水準となった。下げ幅は一時2,600円を超え、心理的な節目の5万円台を意識する場面もあった。
売りの発端は、ホルムズ海峡をめぐる米・イラン間の緊張急拡大だ。トランプ大統領は日本時間22日朝、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければイランの複数の発電所を攻撃し壊滅させると警告。イランはこれに対し、発電施設が攻撃を受けた場合はホルムズ海峡を「完全に封鎖する」と応じた。
ホルムズ海峡は世界の原油・LNG輸送量の約2割が通過する要衝だ。2月28日の米・イスラエルによるイラン攻撃以降、同海峡の通航量は約95%落ち込んでいる。封鎖が長期化すれば原油価格はさらに上がり、インフレと景気後退が同時に進むシナリオも現実味を帯びてくる。そうした不安が市場全体に広がり、東証プライムの値下がり銘柄数は1,515と全体の95%を占めた。
ところが、大引け後に局面が一変した。
トランプ大統領は23日、イランの発電所への軍事攻撃を5日間延期すると表明した。自身のSNSへの投稿で「米国とイランが良好かつ生産的な対話を行った」と主張し、発電所などへの攻撃を「進行中の協議と議論の成功を条件に、5日間延期することを戦争省(国防総省)に指示した」と述べた。
この投稿を受け、大引け後の先物は垂直に跳ね上がった。先物は51,000円台から一瞬で54,000円近くまで急騰。その後急落と揉み合いを経て、23時台現在は53,500円前後で落ち着いている。原油(WTI)も攻撃延期の報を受け、一時11%超の急落を記録した。
ただし、情報は錯綜している。イラン外務省は23日、米国との間に「対話はない」と表明してトランプ氏の投稿内容を否定。「エネルギー価格を下げ軍事計画を実行するための時間稼ぎだ」と批判している。協議が本当に始まったのか、それともトランプ氏の独り相撲なのか…?イラン革命防衛隊に近いファルス通信は「米国との直接・間接の協議は行われていない」とする消息筋の話を伝えている。安心はできない。
今週もまだまだ目が離せない展開が続きそうだ。
