ドイツと日本の防衛協力は、この数ヶ月でペースが上がっている。ただ、「日独の協力強化」という言葉が大々的に報じられがちな一方、仕組み的な連携は、他の欧州諸国と日本の連携に比べてまだ形になっているものは少ない。
映える記者会見
2026年3月22日、小泉進次郎防衛相とドイツのボリス・ピストリウス国防相が神奈川県横須賀の海上自衛隊基地で会談した。場所の選び方が興味深い。省庁ではなく、現場の基地。ドイツ側が横須賀を希望したのか、日本側が提案したのかは不明だが、実務的な雰囲気を演出したかったのは明らかだろう。
護衛艦を背景にした記者会見場所はかなり映えている。絵的にもかっこいい場所だ。
議題は?
主な議題の一つは「円滑化協定(RAA)」で、ピストリウス氏から日本側に締結を提案した。RAAは日本にとって新しい仕組みではない。すでにオーストラリア(2022年)、英国(2023年)、フランス(2024年)と締結済みだ。ドイツが今それを求めてきたのは、欧州勢の中で「出遅れ感」があるからかもしれない。もしかしたら、二次大戦以降の妙な気まずさから時期をずらしたのかもしれない。
一ヶ月前の2月14日、ミュンヘン安全保障会議でも同じ二人が会談している。外交日程として見ると密度が高い。ただ、会談の頻度と実際の協力の深さは別の話でもある。RAAの交渉入りが正式に決まったわけではなく、現時点ではあくまで「提案」の段階だ。
会談ではイランを含む中東情勢の見方も共有された。ドイツにとって中東は経済的にも安全保障上も直接的な関心事で、日本のエネルギー安全保障との接点もある。共通の「懸念」を持つ国同士が話し合う構図だが、記者会見によると両国が具体的に何かを「やる」わけでは、今のところないようだ。
情報保護協定と防衛装備・技術移転協定はすでに締結されている。RAAが加われば、書類上の枠組みから「部隊が実際に動かせる」レベルに協力が進む。そこが今の焦点だ。日独協力がどこまで実を伴うものになるか、2026年中に見えてきそうだ。
参考:小泉防衛大臣 公式X
