デジタル庁は2026年3月27日、事業者向け行政手続のオンライン窓口「Gビズポータル」のアルファ版を公開した。
これまで各省庁や補助金制度ごとにバラバラだった手続の入口を一本化し、GビズID(共通アカウント)で申請書類の準備・管理をまとめて行えるようにするのが狙いだ。個人向けでマイナポータルが果たしてきた役割を、事業者向けにも広げるかたちになる。
なぜ今なのか
会社を立ち上げたり、補助金を申請したりしようとした人なら思い当たるはずだ。e-Gov、jGrants、各省庁の独自システム…。どこで何を申請すればいいのか、そもそも探すだけで時間が消える。
Gビズポータルは、e-Govやjグランツに対して「観光地の宿泊施設への観光案内所のような立場」と位置づけられている。各システム自体を置き換えるわけではなく、そこへの道案内を担う。

3つの機能
アルファ版で使えるのは大きく3つだ。

横断検索では、生成AIを活用して26府省の約2万4000種類の手続き情報を検索できる。補助金の名称を知らなくても、事業内容やキーワードから関連する情報を提案する「逆引き」機能も持つ。
電子ロッカーは、事業者・士業者・行政機関のあいだで申請書類をオンラインで共有する機能だ。チャットでのやり取りも可能で、ファイルの共有方法は「GビズIDで指定」「メールアドレスで指定」「URLとパスワードで共有」の3種類を予定している。
手続ジャーニーは、「会社を設立したい」「飲食店を開業したい」といった目的に応じて、必要な手続を順番に案内する機能だ。省庁をまたぐ複数の手続が一連の流れで示される。
生成AIをどう使うか
これまで補助金を横断的に検索できる基盤の整備が難しかったが、生成AIを活用した情報収集によって実証版として提供されることとなった。
ただ、アルファ版リリース時点では情報精度は完全ではなく、2026年度以降も継続して改善・価値提供を続ける予定とデジタル庁は明示している。完璧を装ってリリースするより、使いながら育てる姿勢のほうが、こういったシステムには合っている。デジタル分野では遅れたイメージのある日本においては、意欲的な試みに見える。
「次は事業者向け」
デジタル庁の浅沼尚デジタル監は、「次に進めるのは事業者向けのサービス。事業者向けの様々なサービスを1つのポータルからアクセスできるように新しいサービスの構築を進める」と述べた。
マイナポータルは個人向けのデジタル手続の窓口として先行してきた。Gビズポータルはその事業者版という位置づけで、政府のデジタル行政の構造において欠けていたピースのひとつだ。
アルファ版という段階である以上、使い勝手や情報の網羅性には課題が残るはずだ。補助金の検索精度、書類共有の実用性、手続ジャーニーのカバー範囲。実際に使った事業者の声が集まるにつれて、サービスの真価が見えてくるだろう。
私もさっそく使ってみたい。
Gビズポータルはhttps://www.digital.go.jp/policies/gbiz-portal で確認できる。
