トランプ・モバイルが5月13日、長らく延期されていた499ドルのスマートフォン「T1」の出荷を開始した。当初の予定から1年近く遅れての登場だ。
ただし問題がある。このスマートフォン、「米国で設計・製造される」と宣伝されていたが、どうせ中国製になるではないかという話が以前からくすぶっていた。正直言って、今のアメリカにスマートフォンを現実的に買える値段で製造できる会社は無いことは自明だ。
政治色マシマシ、カバーを付けずに電車内で使っていたら距離を置かれること間違いなしのスマホ。
その素顔に迫ってみよう。
米国製という幻想はどこへ
トランプ・ジュニア氏とエリック・トランプ氏は黄金色のAndroidスマートフォンは「アメリカで誇りを持って設計・製造された」と宣言した。ふてぶてしい宣言だ。金色に光り輝く筐体にはアメリカ国旗が刻まれている。ま、眩しい。

しかし、現実はそんなに甘くない。米国内で携帯電話を製造している数少ない企業の一つ、ピュリズムのトッド・ウィーバー最高経営責任者(CEO)は「トランプ一家が誰にも気付かれないまま何年もかけて秘密裏に国内または近海に製造拠点を建設したのでない限り、国内製造の実現は不可能だ」と語る。つまり、「無理ゲー」です。
実際、公式販売サイトにはアメリカ製との表記は見当たらない。計画当初よりオールアメリカ製という主張は鳴りを潜めている。どうやらアメリカで作った風である。付属品の多さ、カメラのデザインからして中国でのOEM品であることは間違いないだろう。
筆者的にはアメリカ製にするために背面カバーをアメリカで作り、最後に組み立てていると予想する。
https://enroll.trumpmobile.com/device-detail/Ml8x
商品ページはバイブコーディングで作られた感が満載。インスタグラムに上がっている紹介動画も謎に低クオリティ。
笑ってはいけない。
性能はミドルレンジ

SoC は Snapdragon 7 Mobile でミドルレンジ帯の性能と言えそうだ。少なくとも性能は地雷ではない。情弱商売かと思ったが意外なところだ。(価格を考えると割高ではある)
だが分からないところがあまりにも多すぎる。Android OSのアップデート・更新サポートがあるのかどうか、どこにも書かれていなかった。本当にどこにもない。
カメラについては宣伝動画内で「日常生活での使用に適した三眼カメラ」と言われていたが、おそらく大した性能ではないだろうことは予想できる。謎のOEM製品である以上、期待するのは酷だろう。
「Made in USA」から「Proudly American」へ
当初、トランプ・モバイルのサイトには「Made in the USA T1 Phone」と記載されていた。だが今は「Proudly American(アメリカの誇り)」に変わっている。
これについては日本でも「Japan Design」や「Designed in Japan」のような文句が使われることが多々あるため、何とも言えないところだ……。
日本の製造業の誇りはいずこへ。Make Japan Great Again!
まとめ
トランプ・モバイルが中国製造業を敵視しておきながら、実際には中国企業に依存しているというこの矛盾。まぁ、これは笑うしかない。
金ピカで、政治的で、中国製。スマートに現政権を象徴してる。
どれだけ売れるのか。気になる所だ。
