AIは「雇用を奪う」ではなく「企業を強くする」——米フィンテック大手Block(旧Square)の衝撃発表が、2026年2月27日のアメリカ市場を騒がしました。
わずか1日で時価総額を数百億円規模で押し上げたこのニュース。ジャック・ドーシーCEOは株主向け書簡と従業員向けメモで「インテリジェンスツールが企業を運営する意味そのものを変えた」と明言。人員をほぼ半減させても成長を加速させる「AIネイティブ企業」への大転換を宣言したのです。
ほぼ半分になるんです!
BlockのAI大改革:人員ほぼ半減の衝撃
2026年2月26日(米国時間)、Blockは第4四半期決算と同時に大規模リストラを発表。
- 現在の従業員数:1万人超(2025年12月末時点で約10,205人)
- 削減後:6,000人弱
- 削減規模:4,000人超(約40%減)
削減は2026年第2四半期末までに完了予定。単発の大規模一括削減を選んだ理由について、ドーシー氏は「複数回の小規模削減より、社員の士気や株主の信頼を守れる」と説明しています。
再構築費用は4.5億〜5億ドル(約680〜750億円)と見込まれますが、市場はこれを「投資」と評価。時間外取引で株価は一時25%急騰しました。
ジャック・ドーシーCEOの核心メッセージ(抜粋・和訳)
「インテリジェンスツールは、企業を構築・運営する意味そのものを変えた。私たちは社内で既にその変化を実感している。ツールを活用すれば、はるかに少ないチームで、より多くの仕事を、より優れた形で遂行できる。」
「私はこれを『早すぎる』とは思わない。大半の企業はまだ遅れている。私たちは自らの意志で正直にこの変化を迎えたい。反応的に追い込まれるより、ずっと良い。」
さらに「来年(2026年)には、ほとんどの企業が同じ結論に達するだろう」と予測。
AI時代を「脅威」ではなく「機会」と位置づける、極めて前向きなトーンです。
好業績を背景にした「攻めのリストラ」
発表のタイミングが重要です。Blockの2025年第4四半期業績は極めて堅調でした。
「業績が悪いから人員削減」ではなく、「AIのおかげで同じ成果をより少ない人数で出せるようになったから、積極的にスリム化」、これが市場を沸かせた最大のポイントです。
AIレイオフの先駆けとなるか?業界への示唆
AIが労働市場に与えるインパクトは、すでにかなり議論されてきたトピックですが、実際にAIレイオフまで踏み切った企業は少ない状態でした。
Blockに続いてAmazon(1.6万人削減)など大手テックがAIを理由にした人員最適化を進めています。アナリストからは「AI時代の『セミナル・モーメント(画期的な瞬間)』」「2026年のマージン大幅改善期待」との声が相次いでいます。
一方で、労働経済学者からは「生産性向上と雇用のトレードオフをどう社会全体で解決するか」が問われています。Blockの場合、退職者には「20週間給与+勤続年数1年につき1週間」「5月末までの株式権利確定」「6ヶ月間の健康保険継続」などの手厚いサポートが用意されている点も注目されています。
AIは「縮小」ではなく「進化」と捉えるべきか
Blockの決断は、単なるコストカットではありません。
「少ない人数で、より大きな価値を生み出す」
これが2026年以降の企業生存戦略のスタンダードになる可能性を、ジャック・ドーシーは明確に示しました。株価25%急騰は、投資家がこの未来に賭けた証拠です。
あなたが経営者でも、働く個人でも、AI時代の本当の勝ち方は「ツールを味方につけること」。Blockの挑戦は、その第一段階でしょう。
